メキシコ戦で分かったザックジャパンの現在地

結局、メキシコにも負けてしまいました。内容からして、この敗戦は妥当な結果でした。

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個人的にこのメキシコ戦に注目していた理由は、ブラジルやイタリアと違って、真っ向勝負で戦って色々なものが見えてくるだろうと思ったからでした。

つまり、ブラジル戦、イタリア戦は、勝っても負けても、それほど継続的な意味で現在地を把握し難い。
簡単に言えば、ブラジルは強すぎるし(おそらくスペイン以外はどんな強豪もそう考えてプランを練るでしょう)、イタリアは気まぐれなチームだから。

特にイタリアの2試合目は顕著で、初戦の結果によって別の顔になる国ですからね。
引き分けたり負けたとしても相手次第のことだし、勝ったとしても手抜きのイタリアにっていうイメージがあったわけです。

逆に言えば、この両国と対戦する時に注目していたのが、監督の仕事ぶりでした。
日本の戦力が100%の力を出しても、勝つ確率は低い相手となれば、プラスアルファの力は監督力ですからね。
格下が格上を破る時、ほとんどのケースで重要なカギを握るのが監督の采配です。

そういうわけで、このメキシコ戦は監督力云々よりも、今のチーム力がどれほどのものかが分かりやすいと見ていました。

で、結果は1-2の敗戦。惜敗ではなく、内容的にも完敗でした。

確かに序盤はいい入り方は出来てましたが、前半途中からはほぼ相手のペース。ゲームの運び方、勝負を決する肝みたいなものを分かっていたのも、残念ながらメキシコでした。

もちろん、監督の采配(選手交代だけを指しているのではなく)が軌道修正できた部分もありましたし、そういう意味ではまた監督の采配がクローズアップされそうですが、この試合でクローズアップすべきは、やはり選手、そしてチームの力がメキシコにも及んでいないことがはっきりしたことだと思います。

たぶん、5回やったら2回勝てるかどうか。そんなところじゃないでしょうか。
オーストラリアに2つの引き分けということを考えると、妥当と言えば妥当です。
そして、3月のヨルダン戦以降では、勝っているのは予選最後のイラク戦(1-0)のみという事実を考えれば、十分に予想できていた結果でした。

あれ以降、いや、個人的にはブルガリアとの親善試合がターニングポイントだったと思いますが、とにかくそれ以来ザックジャパンのバイオリズムは下降線を辿っています。
上昇気流ではなく、下降線。この状態では、たとえスタメン3選手が違っていたとはいえ、同じような結果になっていたと思われます。

とにかく、今年に入ってから、ザックジャパンは3勝1分け5敗です。
親善試合のラトビア戦(2月)とカナダ戦(3月)を除くと、ヨルダン戦以降は1勝1分5敗なんです。

これを問題視せず、何を問題にすればいいのでしょう?

これは誰が見ても明らかに悪いバイオリズムですね。ブルガリア戦後に予想していた悪い流れに、完全にハマってます。
チームは生き物なので、こうなると、何か強い刺激がないとなかなかこの泥沼から脱出することは難しいでしょう。
もちろん強い刺激とは、何も監督交代という選択肢だけを指しているわけではありません。

そういう部分で言えば、個人的に、今回のコンフェデレーションズカップの成績が3戦全敗だったことは、よかったのかもしれないと感じています。
逆に、大会前に考えていたのは、ごまかしごまかしで結果だけ出てしまうと、その悪いバイオリズムを監督も選手も気づかないまま、来年のW杯に突き進んでしまいますから。

これで、チームの雰囲気も変わるでしょうし、過度な期待も減るでしょう。

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そして、もうひとつ。

今日は途中出場だった内田選手ですが、かなり地味に見えるかもしれませんが、今のチームには欠かせないパーツになっているということが、この3試合ではっきりしました。
時間がないので、ここでは詳しく書きませんが、何気に今のチームのキーポイントになっています。

試合後、内田選手にはその辺の話をゆっくり聞かせてもらいましたが、本人もそれをかなり意識しているようです。

確かに今日のプレーには納得してませんでしたが、これから先、どのように進化していくのかも楽しみのひとつになりました。

なので、それも含めて、ネガティブなことばかりではなかったコンフェデだったと感じています。
むしろ、ポジティブに変えていくきっかけになる大会となれば、それこそ3連敗も無駄にはなりませんからね。

さて、明日はまた早朝に移動して、ハードな取材がまた始まります。
日本は敗退しましたが、まだまだコンフェデは続きます。

そして、サッカーは続きます。


中山


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この記事へのコメント

2013年06月23日 23:44
取材お疲れ様です。
又勝手にコメントさせていただきます。
私も3戦全敗で次に繋がる事を期待しています。香川のコメントで「個人としてもダメだったがチームとして機能できなかった」というニュアンスがありましたがその通りだと思いました。
流れを変える攻撃パターンの多彩さ、攻めのフォーメーション、選手層の厚さ等1年間で何処までうめられるか挑戦して欲しいと思いました。
今日までのコンフェデの色々な試合で、攻撃はFW、MF守備はDFの責任ではなくチームとしての攻守という良いチームが沢山あったと思いました。又別格ですがスペインの層の厚さ。
来年コンフェデの経験が良かったと選手のコメントが聞けたら良いなと思っています。
コンフェデもB組の最終戦の後は決勝トーナメント。王者スペインに各国がどう挑むのか?楽しみです。

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